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死ぬか生きるか

To Die or To Live
cosmos records/CMCA 2001/2000年
2,200円(税別)

沢 知恵のオリジナル作品集。いのちと暮らしからほとばしることばとメロディー。「生きててよかったと思う日がふえた気がした」「今ここに始まるしあわせのうた」。沢 知恵さんが歌っていること、そして歌おうとしていること、それはひとことであらわすとすれば、LIFEになるのではないかとぼくは思う。(中略)いのち、暮らし、生活、人生、活気、本物。それらすべてのLIFEを沢さんは歌っている。(フォークシンガー、音楽評論家、翻訳家・中川五郎)

TRACKLIST:

01 ノーバディーズ・フォルト・バット・マイン(ニーナ・シモン:詞/曲)
02  迷い (沢 知恵:詞/曲)
03 サマー・オブ 1998 (沢 知恵: 詞/曲)
04 最後の日 (沢 知恵:詞/間沢 英二:曲)
05 ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー (沢 知恵:詞/曲)
06 あなたといれば (沢 知恵:詞/曲 )
07 しあわせのうた (沢 知恵:詞/曲)
08 ノーバディーズ・フォルト・バット・マイン (ニーナ・シモン:詞/曲)


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自主レーベル、コスモスレコーズを立ち上げて最初に出したのが、アルバム〈死ぬか生きるか〉と〈いいうたいろいろ2〉です。オリジナルとカバーは、私にとって両輪であることを改めて宣言するべく、2枚同時に発表しました。その2年前に、東芝EMIからやはり2枚同時に発表したアルバム〈こころ〉と〈いいうたいろいろ〉の続編のつもりです。この〈死ぬか生きるか〉は、私の永遠のアイドルであるニーナ・シモンの《ノー・バディーズ・フォルト・バット・マイン》をのぞいて、オリジナル、つまり自作です。

それにしても、〈死ぬか生きるか〉って、ずいぶん思いつめたタイトルですよね。写真はにっこり笑って、やわらかいのに。どうした、沢知恵! 何かあったのか! このころ、私生活ではしあわせ絶頂だったはずが、母にかなり進行したガンが見つかり、万一のときどう看取ろうかと考えたり(20年経ったいま元気)、子どもをもつことについて考えたり、いのちをめぐるいろんな思いが交錯したときでした。しあわせすぎて死を予感する、なんてこともありました。そもそも創作する行為そのものが、崖っぷちに立たされることで、まだそのあたり、楽しめる余裕なんかなかったんじゃないかな。

だからかなあ。ふだんも私は自分の作品はほとんど聞かないんだけど、このアルバムは一番聞きませんでした。発表して以来、ほとんど。このたび20年ぶりに勇気を出して聞いたら、ヒリヒリするようでいて、まっすぐな思いがギュッとつまっているのが愛しくて、何度もくり返し聞いています。ある意味で、とても私小説的です。胸がしめつけられるけれど、力強くて、励まされるような。どんなに絶望しても、生きるのよ!って。

レコーディングは、私のピアノの弾き語りに、中村哲(さとし)さんがいろんな楽器を過不足なく重ねてくれました。中村さんは、私のアルバムやコンサートでもっとも多く共演しているサックスプレーヤーで編曲家です。六本木ピットインで、ギターリストの和田アキラさんとのセッションではじめてごいっしょしたときのこと、鮮烈におぼえています。私の曲のとき、中村さんがまるまる1節入って来ないんです。サックスを抱えたまま、じっとしているんです。みんなは何かしら演奏しているのに。「怒ってるのかな」「私の曲、つまらないのかな」「私が下手だからかな」とビクビクしていたら、2節からさりげなくピヤ〜って入ってきて、間奏のところでビヤビヤビヤビヤってかっこよく吹いて、完璧でした。日本のミュージシャンは、概して音が多い印象です。うたものには、そんなにいらないのに、って思うけど、説明してわかってもらえることではありません。音を出すのが仕事、みたいに思っている人が多いんです。中村さんはちがいます。「だって、あなたのうたには、何もいらないじゃん」って。感動しました。いらないけど、いる。そんな演奏ができるから、中島みゆきさんや吉田拓郎さんから求めつづけられるんだなあ、と納得です。こうして書いていたら、久しぶりに中村さんとごいっしょしたくなりました。

マイ・ベスト3 

1 あなたといれば 沢知恵:作詞/作曲
金子みすゞの詩をうたうようになって、オリジナルの日本語の歌詞が変わっていきました。その影響を強く受けたのがこれ。《ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー》もそうだけど、素直に思ったことをそのままことばにしてうたおう、と思うように。一番最後のところ、音を大きくして聞くと、私のささやきが聞こえるかしら。うふふ。

2 サマー・オヴ・1998 沢知恵:作詞/作曲
27歳の夏、ほんとうにこんな感じだったんです。雨降りがつづいて、ひんやりして。いまもうたうよ!

3 最後の日 沢知恵:作詞/間沢英二:作曲
死刑制度への思いをうたにしたものです。刑務所コンサートを重ねる中で、明日いのちが終わるとしたら……と。映画《デッドマン・ウォーキング》からもインスパイアされました。曲は、20代なかばに「みつ・えいじ&ともえ」として活動したバンドの間沢英二さんのものです。死刑執行のニュースを聞くたび、うたわずにはいられない思いにかられます。

Tomoe

Live or Die Tomoe Sawa
© Ken Morita 2000

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