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愛してください

Please Love Me
cosmos records/CMCA 2018/2005年(初リリース 1997年)
2,800円(税別)

ドリィ・カイミ、アーニー・ワッツ、カルロス・ヴェガなど、ロサンゼルスの一流ミュージシャンが参加。沢 知恵のソングライティングが確立したといえる1枚。《ザ・ライン》は代表曲に。

いっしょにプレイして彼女はただ者ではないと感じました。「彼女がうたう事は神が決めた事なんだ」なんて勝手に納得している僕でした。とにかくうたと人が等身大なんだな。そして包容力があり、またなつかしくもある。素晴らしいホンモノです。LAのミュージシャンたちとの楽しげでおとなげな演奏が目に浮かぶ、わくわくさせる音満載のアルバムです。そしてこのCDは、都市生活者の疲れやいらだちを癒す、うたのトランキライザーです。(ドラマー・古田たかし)

TRACKLIST:

01 夏が来たら (沢 知恵:詞/曲)
02 ミュージック・ブリングス・ミー・ジョイ (沢 知恵:詞/モーリス・ラベル:曲)
03 いい男はひとのもの (沢 知恵:詞/曲)
04 さよなら (沢 知恵:詞/曲)
05 風は秋 (沢 知恵:詞/曲)
06 つぶやき (沢 知恵:詞/曲)
07 ロンリー・バンブー・アイランド (沢 知恵:詞/曲)
08 最初と最後のラブレター (沢 知恵:詞/曲)
09 シング・ユア・フリーダム・ソング (沢 知恵:詞/曲)
10 ザ・ライン (沢 知恵:詞/曲)


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沢知恵25歳の秋にレコーディングされたスタジオ録音のアルバムです。2020年現在、私は28枚のアルバムを出していますが、そのうちスタジオ録音は13枚。ジョージ・デュークがプロデュースしたデビュー・アルバム〈トモエ・シングス〉をのぞくと、いちばんたくさん音が入ってるのがこの作品です。しかも、全曲オリジナル。モーリス・ラヴェル作曲の《ミュージック・ブリングス・ミー・ジョイ》をのぞいて、全部私が作詞、作曲しています。20歳で歌手になり、レコード会社が用意してくれる曲が気に入らず、だったら自分でつくってみますと墓穴を掘り、やっているうちにだんだん楽しくなって、いつのまにソングライターに。だからいまだに自覚がないんです。私はただの歌手。当時は曲作りがノリにのっているときでした。みつ・えいじとのバンド活動の中から生まれた曲ばかり。いい恋もしてたしね。ふふふ。

ロサンゼルスのチック・コリアのスタジオで、チックの専属エンジニア、バーニー・カーシュと録りました。バーニーとは、アルバム〈こころ〉〈いいうたいろいろ〉〈ともえ・ミーツ・みすゞ〉でごいっしょしています。人格のすばらしさはもちろんのこと、さりげなくて絶妙なマイキングやピアノの音の粒立ちへのこだわりなど、世界で最高レベルの仕事を見せてもらいました。ザ・職人。いつもちゃんとそこに居てくれるんです。心もからだも。そして、現場で「私」を出さないのに、仕上がった音にはしっかり「私」が出ている。最近アルバム〈雨ニモマケズ〉でごいっしょしたエンジニアの牧野英司さんにも、同じ雰囲気を感じたなあ。

ミュージシャンもロサンゼルスの超一流陣とごいっしょするさいわいに恵まれました。コーディネーターの牧良夫さんに感謝です。なんといってもドラムスのカルロス・ヴェガ。ジェイムス・テーラーやジョニ・ミッチェルのアルバムで大好きで、生意気にも、スティーブ・ガッドやハーヴィー・メイソンよりもごいっしょしたかった。夢の夢でした。カルロスは、当日スネアドラムを15個くらいスラジオに並べて、片っ端からたたき、曲に合うものを選んでいたっけ。すげー! 緊張する私をリラックスさせようと、昼食のときとなりに座って話してくれたりして、やさしい人でした。背中でうたうベーシスト、デイヴ・カーペンターと最高のリズム体をつくり出してくれました。アルバムが出た翌年、カルロスが銃で自殺したと聞いたときは、ショックでしばらく呆然としてしまいました。41歳でした。

バイオリンのカレン・ブリッグスは、強烈な印象でした。アフロ・アメリカ系の女性で、ヤニーと動をともにしていました。スタジオに現れた瞬間、そのオーラに圧倒されたっけ。ニコリともしない(笑)。1回曲を聞いて、わかったわ、と力なくうなずいて、いきなり本番。わお! すげー。めちゃめちゃかっこいい。ほぼ一発OKでした。クラシックの素養をもちながら、ジャズ、カントリー、なんでもアドリブで弾けちゃうなんて。ブラジルのドリイ・カイミは真逆でした。現れただけで、スタジオがほんわかあたたかくなり、大丈夫かしらとちょっと心配したら、フワ~ッと演奏しておしまい。完璧! おもしろいなあ。

《ザ・ライン》については長くなるので、マキシシングル《ザ・ライン》のとき改めて書きます。もともとラブソングです。そして、私の人生の応援歌です。

このアルバムは、ファースト・ライブ・イン・ソウルのすぐあと、つまり1996年秋につくりました。ちょうどそのころ、デビュー時からかかわってきたプロデューサーと結婚しました。「愛してください」は、《最初と最後のラブレター》のワンフレーズです。いろんな愛がぎっしりつまっているでしょう?

マイ・ベスト3

1 さよなら 沢知恵:詞/曲
すべて実話です。時効ということで! 「駅」は東京の九段下駅です。

2 いい男はひとのもの 沢知恵:詞/曲
《さよなら》と連作です。ひとつの恋が終わり、見回してみたら、いい男はことごとく「ひとのもの」であった。バーでそうつぶやいたら、「それうたになるね」って言われて。30代で「いい女はひとりもの」をつくりかけたことも。40代のいまは、「いい男は私のもの」って思う。うふふ。

3 ミュージック・ブリングス・ミー・ジョイ 沢知恵:詞/モーリス・ラヴェル:曲
アメリカ高校時代、夏の芸術プログラムに参加したときのこと。クラシックとジャズが完全に同等に扱われていて、となりの練習室ではごきげんなスイングのアドリブが。私はラヴェルの《ソナティナ》を弾いていました。音が重なって、あれ? これってジャズになるじゃん! 化学反応が起きて大興奮しました。

Tomoe

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